2006年10月11日(水)15:38

メルケル首相はEU憲法に道筋をつける意向

ベルリン(AP)

ドイツのアンゲラ・メルケル首相はドイツのEU議長任期中に欧州憲法発効への道をつける意向である。メルケル首相は水曜日ベルリンでジョゼ・マヌエル・バローゾ欧州委員長を交えた閣議を終え、2007年上半期に凍結中のEU憲法のタイムスケジュールを発表する意向であると発表した。2009年の欧州議会選挙の目に発効させる必要がある。意欲的にこの問題に当たるつもりだ、と首相は約束した。

「私たちは次の欧州議会選挙までに憲法条約を必要とする」とメルケル首相は述べた。バローゾ委員長も、欧州憲法の問題では解決策を見出さねばならないと強調した。委員長は議長国ドイツの計画を力の限り支援すると約束した。「EU議長職がドイツにとって成功となるよう私たちは緊密に協力するつもりだ。」

その一方でバローゾ委員長はすべての重荷をドイツの肩に負わせるのはフェアなやり方ではない」と述べ、ドイツ政府に過大な期待をかけぬよう警告した。欧州委員会がEU議長国の準備のために閣議に参加したのは初めてのことである。

メルケル首相は、憲法条約をあまりスリム化する意志のないことを明確に表明した。「憲法条約という言葉にふさわしいものでなくてはならない」。諸機構の規定だけが残るということであってはならない、と首相は警告した。

欧州議会社会民主党のマルティーン・シュルツ党首はメルケル首相に支援を約束した。「憲法に規定された必須の改革なくしては、EUは行動能力を失う」。憲法がなければEUは拡大も不可能である、とシュルツ党首はドイツラジオ・文化 Deutschlandradio Kulturで述べた。シュルツ党首はEU加盟国尾過半数がすでに批准を済ませたことに注意を促した。これから必要なのは「慎重な手続きとタイムスケジュール」である。

フランスとオランダは2005年の国民投票で憲法条約批准を否決している。EU憲法の発効にはすべての加盟国の批准が必要となる。しかし2007年のフランスとオランダの次期議会選挙までは何も決定できない。

自由民主党(FDP)はドイツのEU議長としての行動計画に失望を表明した。ドイツ政府は個々の問題で精力を浪費している。またEU憲法の問題ではタイムスケジュールで満足し、批准手続きや憲法条文についての具体案を取りまとめようとしていない、とFDPのジルヴァーナ・コッホメーリン欧州議員は述べた。

緑の党のユルゲン・トリッティーン副党首とラインダー・シュテーンブロックEU政策広報は、ドイツの議長職に対する評価はメルケル首相が「憲法条約の膠着状況を克服する具体的な行動を取れるか否か」で測られる、と語った。

メルケル首相は、議長国任期中に次の議長国であるポルトガルとスロヴェニアと緊密に意見調整を図る意向を表明した。また3月25日にベルリンで臨時首脳会議を開き、ローマ条約調印50周年を祝うことを計画していると述べた。

メルケル首相は欧州連合を市民に一層近づけるべく努力する意向も表明した。過剰な規則は廃止して、雇用を創出する必要があると首相は述べた。また首相によれば、エネルギー政策もドイツのEU議長任期の中心課題となるという。

原題:Merkel will EU-Verfassung den Weg ebnen




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